○下野市長等倫理条例

平成20年3月19日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、市長、副市長及び教育長(以下「市長等」という。)の倫理基準を定めることにより、市民全体の奉仕者として、その職務に係る倫理の保持を期するとともに、市民の厳粛な信託にこたえ、もって清潔で民主的な市政の発展と公共の福祉の向上に寄与することを目的とする。

(市長等の責務)

第2条 市長等は、市民の信頼に値する倫理性を自覚するとともに、市民に対し自ら進んで倫理に関する高潔性を示すよう努めなければならない。

(市民の責務)

第3条 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等に対し、その地位又は職務上の影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(倫理基準)

第4条 市長等は、次に掲げる倫理基準を遵守しなければならない。

(1) その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(2) その権限又は地位のもたらす影響力を私的な目的のために使用しないこと。

(3) (市が設立した公社、市が資本金、出資金その他これに準ずるものを出資し又は拠出している法人を含む。次条第1項において同じ。)が締結する工事、製造その他の請負契約、業務委託契約及び物品購入契約又はこれらの契約の下請負若しくは再委託に関する契約について特定業者を推薦、紹介するなど有利な取り計らいをしないこと。

(4) 政治活動に関し、道義的に批判を受けるおそれのある趣旨の寄附を受領しないこと。市長等の後援団体についても、同様とする。

(5) 前各号に掲げるもののほか、市民全体の奉仕者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

2 市長等は、その行為が前項各号に規定する倫理基準に違反するとして疑惑を持たれたときは、誠実に疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(市との契約の自粛)

第5条 市長等の配偶者、市長等が役員をしている企業並びに市長等が実質的に経営に携わる企業は、地方自治法(昭和22年法律第67号)の規定の趣旨を尊重し、市との間の工事、製造その他の請負契約、業務委託契約及び物品購入契約又はこれらの契約の下請負若しくは再委託に関する契約を締結しないよう努めなければならない。

2 前項の「市長等が実質的に経営に携わる企業」とは、次の各号のいずれかに該当する企業をいう。ただし、地方公営企業法(昭和27年法律第292号)の適用を受け、又は市が資本金その他これに準ずるものを出資している企業を除く。

(1) 市長等が資本金その他これらに準ずるものの3分の1以上を出資している企業

(2) 市長等が定期的にいかなる名目によるかを問わず、金銭を受領している企業

(3) その他市長等が実質的に経営に関与していると認められる企業

(市民の調査請求権)

第6条 地方自治法第18条に規定する選挙権を有する市民は、次に掲げる事由があると認めるときは、その総数の100分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、これを疑うに足りる事実を証する資料を添付した調査請求書を提出して、市長に調査を請求することができる。

(1) 市長等が第4条第1項の倫理基準に違反した疑いがあるとき。

(2) 市長等が前条第1項の規定に違反した疑いがあるとき。

2 市長は、前項の規定による調査請求があったときは、調査請求書及び添付された資料の写しを、調査を請求された日から起算して7日以内に、第7条第1項に規定する下野市長等倫理審査会に送付し、その審査を求めなければならない。

(審査会)

第7条 前条第1項の規定による調査請求に係る事案について、審査を行い、当該事項について市長に報告し、又は意見を述べるため、下野市長等倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、市長等の職務に係る倫理に関し識見を有する者及び市民のうちから市長が任命する委員5人以内をもって組織する。

3 委員の任期は、2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 審査会に会長及び副会長1人を置き、委員の互選によって定める。

5 会長は、会務を総理し、審査会を代表する。

6 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、当該職務を代理する。

7 審査会は、会長が招集する。

8 審査会は、委員の定数の過半数の者が出席しなければ、会議を開くことができない。

9 審査会の議事は、出席した委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

10 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、出席委員の3分の2以上の同意を必要とする。

11 審査会の委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(審査会の審査)

第8条 審査会は、第6条第2項に規定する調査請求書の送付を受けた日から90日以内に、当該請求に対する内容を審査し、その審査結果を市長に報告しなければならない。

2 審査会は、前項の審査を行うため、必要があると認めるときは、市長等その他関係者の出席を求めて意見若しくは説明を聴き、又は資料を提出させることができる。

3 審査会は、市長等が正当な理由がなく審査に協力せず、又は出席した会議において説明した事項若しくは提出された資料に明らかに虚偽があると認めるときは、その旨を公表するものとする。

(審査結果の通知及び公表)

第9条 市長は、前条第1項の審査結果の報告を受けたときは、速やかに当該審査結果を第6条第1項の規定による調査請求をした市民の代表者に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。

(信頼回復のための措置)

第10条 市長は、審査結果において、第4条第1項又は第5条第1項の規定に違反している旨の指摘を受けたときは、これを尊重して、市民の信頼を回復するために必要と認められる措置を講じなければならない。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成20年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。

(経過措置)

2 第4条第1項及び第5条第1項の規定は、この条例の施行の日以後になされた事案について適用し、施行日前になされた行為については、適用しない。

3 この条例の施行後及び任期満了後最初に行われる審査会の招集は、第7条第7項の規定にかかわらず、市長が行う。

下野市長等倫理条例

平成20年3月19日 条例第2号

(平成20年4月1日施行)