下野市人口ビジョン及び下野市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました
策定の趣旨
平成20年に始まった人口減少は今後加速度的に進み、このまま推移すると平成62年には現在の居住地域の6割以上で人口が半分以下に減少し、2割の地域では無居住化すると推計されています。
また、人口の減少は、経済規模の縮小をまねくとともに、雇用機会の大幅な減少や都市機能の低下等をまねき、地域社会経済に深刻な影響を与えていくことになると考えられています。
国では、急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を維持して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、平成26年11月に「まち・ひと・しごと創生法」が制定されました。
さらに、12月には人口の現状と将来の姿を示し、今後目指すべき将来の方向性を提示する「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」及び今後5か年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をそれぞれ閣議決定し、まち・ひと・しごと創生に向けて総合的に取り組むこととしました。
本市の人口は、合併以来増加傾向でありましたが、近年は増加率が鈍化しており、将来の人口推計によると、今後は少子高齢化が進み人口減少に転じるものと考えらています。
また、年齢3区分別人口においては、年少人口及び生産年齢人口の減少、老年人口の増加が見込まれており、人口減少による購買力や労働力の低下により地域経済が縮小することが予想され、税減収等により財政環境が悪化し現在の行政サービスの維持が困難になることなどが懸念されています。
本市は、多様で豊かな地域資源を有するなどのポテンシャルも高く、また健全財政を維持しつつ市政運営もおおむね順調に進展してきていますが、本市においても「人口減少」という危機感を市民と共有するとともに、この人口減少という大きな波に立ち向かっていかなければなりません。
まち・ひと・しごと創生については、国と地方が一体となり、中長期的な視点に立って取り組む必要があるため、本市においても、国・県の人口ビジョン・総合戦略を勘案し、本市の今後目指すべき将来の方向と人口の将来展望を提示する「下野市人口ビジョン」を策定するとともに、今後5か年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめた「下野市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、地方創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施することとします。
下野市人口ビジョン及び下野市まち・ひと・しごと創生総合戦略の概要
下野市人口ビジョンの概要
人口の現状分析(国立社会保障・人口問題研究所データに基づく人口推計)
- 推計では本市の人口は2060年40,703人(約30%減)と予想されます。
(2010年国勢調査:59,483人) - 2060年の年齢3区分別における老年人口の割合は37.9%と予想されます。
(2010年:19.1%)
市民の意識・意向調査
- 若年世代の意識調査の結果、理想の子どもの人数と比較した現実の子どもの人数が少ないと思っている人が約45%となっています。
- 17歳の意識調査の結果、就職先を選ぶ理由の上位に、実家からの通勤(約30%)、地元(約26%)が挙げられます。
- 転出者の意識調査の結果、回答者の内9割を超える人が、下野市に住んで「満足・ どちらかといえば満足」と回答。
本市の目指すべき将来の方向
- 市民の幸福感の向上
本市の恵まれた医療環境、自然環境、居住環境、交通の利便性等の強みを活かし、「下野市に住んでいて幸せ」であると思える施策・事業の展開により、本市への定住促進、出生率向上を目指します。 - 人や企業に選ばれる自治体
多彩で豊富な地域資源を活かし、地域の魅力向上と雇用の拡大につなげ、「人や企業に選ばれる」施策・事業の展開により、本市への定住を促進する新たな人の流れを創出します。
人口の将来展望
- 2060年の将来人口を54,242人(約9%減)と推計。(2010年国勢調査:59,483人)
- 合計特殊出生率を2.19と設定。(2040年時点における設定)
- 2060年の老年人口比率を29.6%と推計。(2045年ピーク時で31.0%)
下野市まち・ひと・しごと創生総合戦略の概要
市民の幸福感の向上・人や企業に選ばれる自治体の実現に向けた戦略として4つの基本目標を設定し、人口減少克服に向けた施策・事業を展開します。
魅力的で安定した雇用を創出する
産業振興計画に基づく新たな産業の誘致・育成、新規就農者への支援等若年世代の定住を促進することにより、生産年齢人口の維持を図ります。
- 商工業による躍進するまちづくり
- 地域の特性を活かした農業・農村づくり
東京圏からの新しい人の流れをつくる
立地適正化計画策定等の土地利用の推進、本市の魅力を積極的に発信するシティプロモーションの推進等により、転入者の増加、観光入込客数の増加を図る。
- 快適に住み続けられる住環境、緑環境、交通環境、水環境づくり
- 魅力あふれる観光まちづくり
- 交流の促進とシティプロモーションの推進
若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援等により、合計特殊出生率の向上、本市で今後も子育てをしていきたいと思う保護者の割合の増加を図る。
安心なくらしを守り幸せを実感できるまちをつくる
市民が「下野市に住んでいて幸せ」であると思える施策・事業の展開により、人が人を呼ぶ好循環が生まれるものと考え、人口減少克服の大きな取組の一つとして、「市民の幸福感の向上」を位置付け、保健福祉の充実、教育文化の振興、安全・安心に暮らせる生活環境の向上を図るとともに、市民自らがまちの活力を創出していく市民協働の取組を推進する。
計画期間
平成27年度から31年度までの5年間です。
進行管理
市長を本部長とする下野市地方創生推進本部が中心となって進捗管理・検証を行うとともに必要に応じて見直しを行います。さらに、市民等の参画を図るため、下野市総合計画審議会において推進状況を報告し、総合戦略の検証・見直しに係る意見、提言等を求めます。
進捗状況等の公表
総合戦略における進捗状況、検証・見直しについては、市民に分かりやすい形でホームページ等を通じて公表します。
策定までの経緯
- 平成27年6月
地方創生推進本部にて策定方針の協議・決定
総合計画審議会にて策定方針に係る意見・提言(第2回) - 平成27年6月
若年世代の意識調査
(市内在住18歳から40歳未満の男女計2,000名)
今後の進学・就職・居住などに関する意識・希望調査
(平成27年度に18歳になる市民600名)
転入・転出に関するアンケート
(平成26年度の転入者500名、転出者500名) -
平成27年8月
地方創生推進本部にて人口ビジョン(案)に係る協議
総合計画審議会にて人口ビジョン(案)に係る意見・提言(第3回・第4回) - 平成27年9月
地方創生推進本部にて総合戦略(案)に係る協議
総合計画審議会にて総合戦略(案)に係る意見・提言(第5回・第6回) - 平成27年9月
地方創生推進本部にて人口ビジョン(案)及び総合戦略(案)の協議・決定 - 平成27年10月
人口ビジョン(案)及び総合戦略(案)に係るパブリックコメントの実施 - 平成27年10月
地方創生推進本部にて人口ビジョン及び総合戦略の決定 - 平成27年10月
人口ビジョン及び総合戦略の公表