○下野市消費生活条例

令和3年3月23日

条例第1号

目次

第1章 総則(第1条―第11条)

第2章 消費者の自立支援(第12条―第14条)

第3章 消費者の安全確保(第15条―第18条)

第4章 苦情等の処理(第19条)

第5章 消費生活センター(第20条―第27条)

第6章 消費生活検討委員会(第28条―第33条)

第7章 雑則(第34条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差に鑑み、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、市及び事業者の責務並びに事業者団体、消費者及び消費者団体の役割を明らかにするとともに、市の施策について必要な事項を定めることにより、その施策を総合的に推進し、もって市民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 消費者 消費生活のために商品又は役務(以下「商品等」という。)を使用し、又は利用して消費生活を営む者をいう。

(2) 事業者 消費者に対して消費生活の用に供する商品等の製造、販売、提供その他これらに類する行為を業として行う者をいう。

(3) 事業者団体 事業者の共通の利益の増進のため、事業者により組織された団体をいう。

(4) 消費者団体 消費者が消費生活の安定のため、自主的に組織する団体をいう。

(5) 取引等 契約の締結についての勧誘、契約の締結その他これらに類する行為をいう。

(基本理念)

第3条 消費者の利益の擁護及び増進に関する施策(以下「消費者施策」という。)の推進は、市民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、次に掲げる消費者の権利が尊重され、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。

(1) 商品等によって、生命、身体及び財産に危害を受けない権利

(2) 商品等について、適正な取引環境の下で消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保される権利

(3) 消費生活において必要な情報及び教育の機会が提供される権利

(4) 消費者の意見が消費者施策に反映される権利

(5) 商品等によって不当に受けた被害から適切かつ迅速に救済される権利

2 消費者施策の推進に当たっては、高度情報通信社会及び国際化の進展並びに環境の保全に配慮しなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念にのっとり、消費者施策等を策定し、実施しなければならない。

2 市は、消費者施策の策定及び実施に当たっては、消費者の安全を確保し、消費者及び消費者団体の意見を反映するよう努めるものとする。

3 市は、消費者の自主的かつ合理的な行動を推進するため、消費者に対し消費生活に関する情報の提供、啓発活動、学習活動その他必要な支援に努めるものとする。

4 市は、消費者団体が行う消費生活の安定及び向上に資する健全かつ自主的な活動の支援に努めるものとする。

5 市は、市民の消費生活の安定及び安全の確保のため、事業者、関係団体等と連携を図り、消費者被害の未然防止等に必要な措置を講ずるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、第3条に規定する基本理念にのっとり、その供給する商品等について、次に掲げる責務を有する。

(1) 消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。

(2) 消費者に対し、必要な情報を明確かつ平易に提供すること。

(3) 消費者との取引に際して、消費者の年齢、知識、経験、判断能力及び財産の状況等の多様な特性に配慮すること。

(4) 消費者の個人情報を慎重かつ適正に取り扱うこと。

(5) この条例及び関係法令を遵守するとともに、消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理すること。

(6) 市が実施する消費者施策に協力すること。

2 事業者は、消費生活に係る商品等の供給に当たっては、環境への負荷の低減その他の環境の保全に配慮するよう努めなければならない。

3 事業者は、消費者の意向を事業活動に反映させ、その供給する商品等について品質その他の内容を向上させること等により、消費者の信頼を確保するよう努めなければならない。

(事業者団体の役割)

第6条 事業者団体は、前条に規定する事業者の責務の遂行に寄与し、消費者と事業者との間の信頼関係の構築に努めるものとする。

(消費者の役割)

第7条 消費者は、自立した消費者を目指し、自ら進んで消費生活に関する必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集する等、自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない。

2 消費者は、消費生活に関し、環境への負荷の低減その他の環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。

(消費者団体の役割)

第8条 消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動に努めるものとする。

(事業者、消費者等との相互協力)

第9条 市、事業者、事業者団体、消費者及び消費者団体は、この条例の目的を達成するため、それぞれの責務又は役割を相互に理解し、尊重し、及び協力するよう努めるものとする。

(国及び県との相互協力等)

第10条 市は、消費者施策の策定及び実施に当たっては、国及び栃木県(以下「県」という。)と役割を分担し、国及び県の施策との整合性の確保を図るとともに、必要に応じて、国、県その他関係行政機関等に対し、情報の提供、調査の実施その他の協力を求め、又は適切な措置を講ずるよう要請するものとする。

2 市は、国、県その他関係行政機関等が実施する消費者施策について、情報の提供、調査の実施その他の協力を求められたときは、これに応ずるものとする。

(消費生活基本計画)

第11条 市長は、消費者施策を総合的かつ計画的に推進するため、消費生活に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、基本計画の策定に当たっては、第28条に規定する下野市消費生活検討委員会の意見を聴かなければならない。

第2章 消費者の自立支援

(消費者教育等の推進)

第12条 市は、消費者が消費生活に関する必要な知識を修得するとともに、判断力を養い自主的かつ合理的に行動することができるよう、消費生活に関する必要な情報を適切かつ迅速に提供するものとする。

2 市は、消費者が生涯にわたって消費生活について学習する機会が広く求められている状況を踏まえ、学校、地域、家庭、職場その他の様々な場を通じて消費生活に関する教育を充実する等の必要な施策を講じ、消費者教育を推進するものとする。

(消費者団体への支援)

第13条 市は、消費者団体による消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動を促進するため、活動及び交流の場の提供その他必要な支援を行うものとする。

(消費者の特性への配慮)

第14条 市は、消費者の自立の支援に当たっては、消費者の年齢、障害の有無その他の特性に配慮して行うものとする。

第3章 消費者の安全確保

(安全の確保)

第15条 事業者は、消費者の消費生活における安全の確保のため、その供給する商品等に関し、法令及び栃木県消費生活条例(昭和51年栃木県条例第3号。以下「県条例」という。)に定めのある事項を遵守するとともに、消費者に対する必要な情報の提供その他の被害の発生又は拡大を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(取引行為の適正化)

第16条 事業者は、消費者との間で行う取引等に関し、法令並びに県条例及びこれに基づく規則に定めのある事項を遵守するとともに、消費者の意思を尊重し、適正な取引環境の下で消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されるよう努めなければならない。

(消費者への情報提供)

第17条 市は、消費者の被害の発生及び拡大の防止のために必要があると認めるときは、事業者を特定する情報を除き、商品等の取引方法及び内容に関する情報を市民に提供することができる。

2 市は、国及び県が公表した、消費者に被害が発生し、又は発生するおそれがある商品等の取引方法及び内容に関する情報を速やかに消費者に周知するよう努めるものとする。

(県条例違反等の県への通報等)

第18条 市長は、県条例に違反し、又は違反する疑いのある事業活動により消費者に被害が生じ、又は拡大することを防止するために必要があると認めるときは、県に被害の概要を通報し、及びその他必要な情報を提供し、調査の実施その他の協力を求め、又は適切な措置を講ずるよう要請するものとする。

第4章 苦情等の処理

(苦情等の処理)

第19条 事業者は、商品等の販売その他消費者と事業者との取引等に関して生じた消費者の苦情又は相談(以下「苦情等」という。)に誠意を持って応じ、これを適切かつ迅速に処理しなければならない。

2 市長は、消費者から苦情等の申出があったときは、当該苦情等を解決するために必要な助言、あっせんその他の措置を講ずるものとする。

3 市長は、前項の措置を講ずるために必要があると認めるときは、事業者又は関係者に対し、資料の提出、報告又は説明を求めるとともに、必要な調査を行うことができる。

4 市長は、前2項の苦情の処理を行うに当たっては、必要に応じ、国、県、その他関係行政機関等との連携に努めるものとする。

第5章 消費生活センター

(消費生活センターの設置)

第20条 市長は、市民の消費生活の安定及び向上を図るため、消費者安全法(平成21年法律第50号。以下「法」という。)第10条第2項に規定する施設として、下野市消費生活センター(以下「消費生活センター」という。)を設置する。

(消費生活センターの名称及び位置等)

第21条 消費生活センターの名称及び位置は、次のとおりとする。

(1) 名称 下野市消費生活センター

(2) 位置 下野市笹原26番地

2 消費生活センターが法第8条第2項各号に掲げる事務を実施する日は、月曜日から金曜日までとする。ただし、下野市の休日を定める条例(平成18年下野市条例第2号)第1条第1項に規定する市の休日を除くものとする。

3 消費生活センターが法第8条第2項各号に掲げる事務を実施する時間は、午前9時から午後5時までとする。ただし、正午から午後1時までを除くものとする。

(消費生活センターの事務)

第22条 消費生活センターは、次に掲げる事務を行うものとする。

(1) 法第8条第2項各号に掲げる事務

(2) その他消費生活に関し市長が必要と認める事務

(消費生活センターの職員)

第23条 消費生活センターには、消費生活センターの事務を掌理する所長及びその他の職員を置くものとする。

(消費生活相談員の配置)

第24条 消費生活センターには、法第10条の3第1項に規定する消費生活相談員資格試験に合格した者(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成26年法律第71号)附則第3条の規定により合格した者とみなされた者を含む。)を消費生活相談員として置くものとする。

(消費生活相談員の人材及び処遇の確保)

第25条 市長は、消費生活相談員が実務の経験を通じて専門的な知識及び技術を体得していることに十分配慮し、任期ごとに客観的な能力実証を行った結果として同一の者を再度任用することは排除されないことその他の消費生活相談員の専門性に鑑み適切な人材及び処遇の確保に必要な措置を講じるものとする。

(消費生活相談等の事務に従事する職員に対する研修)

第26条 市長は、消費生活センターにおいて法第8条第2項各号に掲げる事務に従事する職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保するものとする。

(情報の安全管理)

第27条 市長は、消費生活センターにおける法第8条第2項各号に掲げる事務の実施により得られた情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講じるものとする。

第6章 消費生活検討委員会

(委員会の設置)

第28条 市長は、市民の消費生活の安定及び向上を図るための施策を総合的かつ計画的に推進するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、下野市消費生活検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

(委員会の所掌事務)

第29条 委員会が所掌する事務は、次のとおりとする。

(1) 基本計画の策定に係る調査及び審議を行うこと。

(2) 基本計画の推進に係る調査及び審議を行うこと。

(3) その他消費生活事業に関し必要と認めること。

(委員会の組織及び委員)

第30条 委員会は、15人以内の委員をもって組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 学識経験者

(2) 事業者代表者

(3) 消費者団体代表者

(4) 司法書士

(5) 下野市消費生活相談員

(6) 公募による市民

(7) その他市長が必要と認める者

3 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員がその選任資格を失ったときは、同時に委員の職を失うものとする。

4 委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(委員長及び副委員長)

第31条 委員会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選により定める。

2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、その職を代理する。

(会議)

第32条 委員会の会議は、委員長が招集し、議長となる。

2 委員会の会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。

3 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 委員会は、必要があると認めるときは、委員以外の者の出席を求め、意見を聴くことができる。

(庶務)

第33条 委員会の庶務は、市民生活部において処理する。

第7章 雑則

(委任)

第34条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(下野市消費生活検討委員会条例の廃止)

2 下野市消費生活検討委員会条例(平成27年下野市条例第28号)は、廃止する。

(下野市消費生活センター条例の廃止)

3 下野市消費生活センター条例(平成28年下野市条例第10号)は、廃止する。

(委員会招集の特例)

4 この条例による最初に招集される委員会の会議及び委員の任期満了後における最初の委員会の会議は、第32条第1項の規定にかかわらず、市長が招集する。

下野市消費生活条例

令和3年3月23日 条例第1号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
下野市例規集/第9編 産業経済/第3章
沿革情報
令和3年3月23日 条例第1号