○下野市職員等の公益通報に関する要綱

令和4年10月20日

告示第146号

下野市職員等の公益通報に関する要綱(平成20年下野市告示第55号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この告示は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号)に基づき、職員等からの公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置に関して、その適切かつ有効な実施のため、必要な事項を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、法令の規定の遵守を図り、もって市及び事業者のコンプライアンスの推進に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 職員等 次に掲げる者又は公益通報の日前1年以内に次に掲げる者であったものをいう。ただし、からまでに定める役員については公益通報の日時点で退任している者を除く。

 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職の職員及び同条第3項第3号に規定する臨時又は非常勤の職員

 市から事務事業を受託し、又は請け負った事業者の役員及び従業員

 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)の役員及び従業員

 労働者派遣事業(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第3号に規定する事業をいう。)を行う事業所の役員及び同法第2条第2号に規定する派遣労働者

 からまでに掲げるもののほか、市の法令遵守等を確保する上で必要と認められる者

(2) 公益通報 職員等が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他不正の目的でなく、市又は職員等について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、市があらかじめ定めた者に通報することをいう。

(3) 公益通報者 公益通報をした者をいう。

(4) 通報対象事実 市の事務事業に関する事項又は市が処分、勧告等をする権限を有する事項で、次のいずれかに該当するものをいう。

 法令(条例、規則等を含む。以下「法令等」という。)の規定に違反又はこれに至るおそれのある行為の事実

 市民の生命、身体、財産その他の利益を害し、若しくは害するおそれのある行為又は公正な競争の確保その他の市民生活に重大な影響を与え、若しくは与えるおそれのある行為の事実

 その他市民全体の公共の利益又は市政に対する信頼を著しく損ない、若しくは損なうおそれのある行為の事実

(5) 通報対応業務 公益通報を受け、並びに当該公益通報に係る通報対象事実の調査をし、及びその是正に必要な措置をとる業務をいう。

(公益通報対応体制の整備)

第3条 職員等からの公益通報等に対応する仕組みを整備し、通報対応業務を適切に行うため、通報対応業務を統括する通報対応責任者を置き、総務部長をもってこれに充てる。

2 通報対応責任者に事故あるとき、又は通報対応責任者が当該通報対応業務を行うことが当該業務の適正な遂行に支障があると認められるときは次に定める順序により、さらに必要がある場合は下野市長の職務代理を定める規則(平成18年下野市規則第9号)に定める順序により通報対応責任者を充て、その職務を行うものとする。

(1) 第1順位 教育委員会事務局教育次長

(2) 第2順位 総務部総務人事課長

(3) 第3順位 教育委員会事務局教育総務課長

(通報窓口)

第4条 公益通報の受付及び公益通報に関する相談(以下「通報等」という。)に応じ、調査をし、及び是正に必要な措置をとるため、総務部総務人事課に公益通報受付窓口(以下「通報窓口」という。)を設置する。

2 通報対応責任者は、通報窓口に、通報対応業務を行う者であり、かつ、当該業務に関して公益通報者、相談者等が誰であるか認識することができる事項(以下「通報者等を特定させる事項」という。)を伝達される者として、通報窓口担当者を置くものとする。

3 通報対応責任者は、通報窓口担当者を定めたときは、書面によりその地位に就く者に通知するものとする。

(公益通報の受付)

第5条 職員等は、通報窓口に対し、次に定める事項を、電話、電子メール、FAX、郵送又は面談の方法により知らせることで、公益通報をすることができる。

(1) 氏名、所属(労務提供先)、連絡先及び連絡方法

(2) 通報対象事実の内容

(3) 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由

(4) 通報対応業務における公益通報者への通知の希望の有無

2 前項の規定にかかわらず、職員等は、匿名で通報窓口を利用することができる。

3 通報窓口担当者は、公益通報があったときは、誠実かつ公正に対応し、通報の受付を拒んではならない。

4 通報窓口担当者は、公益通報を受け付けたときは、当該公益通報者に対し、公益通報を理由とする不利益な取扱いの禁止、公益通報に関する秘密保持、受付後の手続等について、説明するものとする。

5 前項までの規定にかかわらず、職員等は、上司である職員等に公益通報をすることができる。

6 前項の規定により、公益通報を受けた上司である職員等は、自ら行える範囲において、必要に応じて調査を行うとともに、当該職員等の上司への報告、通報窓口への通報その他適切な措置をとることができる。

7 通報窓口担当者は、公益通報を受け付けた場合は、公益通報者の秘密保持に配慮しつつ、その内容を聴取し、及び資料の提供を求める等、通報対象事実の把握に努めなければならない。

8 通報窓口担当者は、把握した情報を、通報対応責任者に報告しなければならない。

(調査)

第6条 通報対応責任者は、前条第8項の報告を受けたときは、調査の必要性を検討し、正当な理由がある場合を除き、速やかに必要な調査を実施しなければならない。

2 通報対応責任者は、調査を実施するに当たり、通報窓口担当者又は当該公益通報に関係しない職員を調査担当者として指名し、調査させるものとする。

3 職員等は、正当な理由がない限り、調査担当者が行う調査に協力しなければならない。

4 通報対応責任者は、第1項の調査を行う場合はその旨及び着手する時期を、調査を行わない場合はその旨及び理由を、遅滞なく公益通報者(匿名による公益通報者又は当該通知を希望しない公益通報者を除く。第7項第8項及び次条第4項において同じ。)に通知しなければならない。ただし、適正な業務の遂行又は利害関係人の秘密、信用、名誉若しくはプライバシーの保護に支障がある場合を除く(第7項第8項及び次条第4項において同じ。)

5 調査担当者は、調査の実施に当たっては、公益通報に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、公益通報者が特定されないよう十分に留意しつつ、遅滞なく、必要かつ相当と認められる方法で行うものとする。

6 調査担当者は、調査の方法、内容等の適正性を確保し、調査の適切な進捗を図るため、調査中は調査の進捗状況について、通報対応責任者に適宜報告するとともに、調査を終了したときは、通報対応責任者に、速やかに、調査結果を報告するものとする。

7 通報対応責任者は、調査中は調査の進捗状況について、公益通報者に適宜通知するものとする。

8 通報対応責任者は、調査の結果を、公益通報者に遅滞なく通知しなければならない。

(是正措置等)

第7条 通報対応責任者は、調査の結果、通報対象事実があると認めるときは、速やかに、是正措置及び再発防止策(以下「是正措置等」という。)を講じなければならない。

2 通報対応責任者は、是正措置等を講じるに当たり、当該通報対象事実に関係する者又は当該通報対象事実を是正し、及び再発防止策を講じることができる者に、是正措置等を講じることを指示することができる。

3 是正措置等を指示された者は、是正措置等をとった場合は、市長又は執行機関等の長(以下「市長等」という。)の決裁を受け、遅滞なくその内容を通報対応責任者に通知しなければならない。

4 通報対応責任者は、前項の通知を受けた場合は、公益通報者に対し、速やかにその内容を通知するものとする。

5 通報対応責任者は、通報対応業務の終了後、是正措置等が十分に機能していることを適切な時期に確認し、必要があると認める場合は、新たな是正措置等その他の改善を図ることを、当該是正措置等をとった者に指示するものとする。

(長その他幹部からの独立性の確保)

第8条 通報対応業務について、市長等その他幹部に関係する事案については、これらの者からの独立性を確保するため、必要に応じて、外部弁護士又は第三者委員会の協力を受けながら、当該業務を行うものとする。

(利益相反関係の排除)

第9条 通報対応責任者は、通報対応業務について、通報対象事実に関係する者を関与させてはならない。

2 通報対応責任者は、通報対応業務の各段階において、通報対応業務に関与する者が当該公益通報に利益相反関係を有していないか確認するものとする。

(不利益な取扱いの禁止)

第10条 市長等及び職員等は、公益通報者及び調査協力者(以下「公益通報者等」という。)に対して、公益通報をしたこと、又は調査に協力したことを理由として、不利益な取扱いを行ってはならない。

2 公益通報者等は、公益通報をしたことを理由として不利益な取扱いを受けた場合は、通報窓口に、その旨を申し出ることができる。

3 通報窓口担当者は、申出の内容等に応じて、公益通報者等に対して、公平委員会に対する地方公務員法第49条の2の規定による不利益処分についての審査請求、同法第46条の規定による勤務条件に関する措置の要求、苦情相談制度等を利用することができる旨を教示するものとする。

4 通報対応責任者は、通報対応業務の終了後、公益通報者等に対して、不利益な取扱いが行われていないか適宜確認する等、通報者保護に係る十分なフォローアップを行い、不利益な取扱いが認められる場合は、適切な救済・回復の措置をとるものとする。

(範囲外共有、特定及び捜索の防止)

第11条 通報対応責任者、通報窓口担当者、調査担当者及び調査協力者(以下「通報対応業務に関与した者」という。)は、通報者等を特定させる事項を、必要最小限の範囲を超えて共有してはならない。ただし、当該公益通報者等があらかじめ明示的に同意した場合又は正当な理由がある場合は、この限りでない。

2 市長等及び職員等は、公益通報者等を特定しようとしてはならない。

(個人情報等の保護)

第12条 通報対応業務に関与した者は、当該業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2 通報対応業務に関与した者は、当該業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

(処分等)

第13条 市は、次のいずれかに該当する場合は、当該行為者、違反者又は関与した者に対して、行為態様、被害の程度その他情状等の諸般の事情を考慮して懲戒処分その他適切な措置をとるものとする。

(1) 第6条の調査の結果、通報対象事実が明らかになった場合

(2) 第2条第2号第6条第3項第9条から前条までの規定に違反する行為が行われた場合

(職員等への周知)

第14条 通報対応責任者は、市における通報窓口、公益通報対応体制その他公益通報に係る制度等について、職員等に対し、研修の実施その他適切な方法により周知するものとする。

(公益通報関連文書の管理)

第15条 通報対応業務に係る記録及び関係資料は、下野市文書取扱規程(平成18年下野市訓令第7号)により保管及び保存するとともに、下野市情報公開条例(平成18年下野市条例第10号。以下「条例」という。)第2条第2項に規定する行政情報として取り扱うものとし、当該行政情報の公開又は非公開は、条例第7条の規定によるものとする。

(公表等)

第16条 市は、公益通報の件数、主な内容等について、毎年公表するものとする。ただし、通報実績がない場合は、この限りでない。

2 市は、公益通報対応体制等について、市民及び職員等の意見等を踏まえて、評価及び点検を行うとともに、必要に応じて、公益通報対応体制の改善を図るよう努めるものとする。

(他の法令等との関係)

第17条 公益通報への対応手続については、他の法令等に特別の定めがある場合又はこれに基づく運用がある場合を除くほか、この告示の定めるところによる。

(外部の労働者等からの通報)

第18条 第5条(同条第5項及び第6項を除く。)から第13条まで及び第15条から前条までの規定は、公益通報者保護法第13条第1項の規定による公益通報又はこれに準ずる通報が市にされた場合における当該公益通報への対応について準用する。

2 市は、前項の公益通報が当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有しない場合においては、公益通報者保護法第14条の規定により、権限を有する行政機関を当該公益通報者に対して教示しなければならない。

(市民等からの通報)

第19条 第5条(同条第5項及び第6項を除く。)から第13条まで及び第15条から第17条までの規定は、通報対象事実について、市民等から通報等があった場合の対応について準用する。

この告示は、公布の日から施行し、令和4年6月1日から適用する。

下野市職員等の公益通報に関する要綱

令和4年10月20日 告示第146号

(令和4年10月20日施行)