みどりの食料システム戦略
農業を取り巻く環境は、少子高齢化に伴う人口減少をはじめ、コロナ禍の長期化や地球温暖化による気候変動の影響拡大など大きく変化しています。今後、日本の農業が持続的に発展するためには、将来を見据え、環境と調和した農業生産を実現するための対策を的確に講じていく必要があります。
このため、農林水産省において、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」が策定されました。
とちぎグリーン農業推進方針の策定
「みどりの食料システム戦略」と、環境負荷低減事業活動の促進を目指すための「みどりの食料システム法」をふまえ、栃木県では、生産・流通・消費の各段階における取組を県や市町、関係団体等が一体となって推進するため、「とちぎグリーン農業推進方針」を策定し、「環境負荷の低減」と「収益性の向上」を両立する農業生産の実現を目指すこととしました。
下野市では本推進方針に基づき、県の主導のもと、持続可能な農業の実現へ向けて取り組んでいきます。
下野市における重点的な取組
「とちぎグリーン農業推進方針」では、環境に配慮した持続可能な農業生産の普及・拡大を図るため、各市町における地域の特徴を生かした重点的な取組について位置づけ、県や関係機関・団体 との連携による推進を図っていくこととしています。
本市では、下記について重点取組としています。
土壌診断に基づく適正施肥の推進
日本の土壌には、リン酸・加里等の蓄積した圃場が多くあります。土壌診断を実施することで土壌中の養分の実態を把握し、適正な肥料を選択することができます。
蓄積している養分を減らすことで施肥コストの削減につながり、不足している養分を補うことで収量・品質の向上につなげることができます。
耕畜連携による堆肥の利用の促進
家畜ふん尿を堆肥化し、農地に利用することで、家畜排せつ物処理に由来する温室効果ガスの排出抑制につながるほか、化学肥料軽減と低農薬による栽培による安全・安心な農畜産物の生産推進につながります。
スマート農業技術の導入による省力化の推進
農業の現場では、担い手の減少・高齢化の進行等により労働力不足が深刻な問題となっていますが、依然として人手に頼る作業や熟練者でなければ出来ない作業が多く、省力化、 人手の確保、負担の軽減が重要な課題となっています。
ドローンやIoTなどの最新技術を活用することで、重労働の農薬散布作業等の代行が可能となり、農業の省力化に繋がります。
有機農業・野菜の栃木県内栽培マニュアル
有機農業は、生物多様性保全や地球温暖化防止等に高い効果があることが明らかになっています。
「みどりの食料システム戦略」では、「有機農業の取組面積の割合を2050年までに25%(100万ha)に拡大する」ことが目標とされていることから、栃木県でも有機農業を更に推進するため、栽培マニュアルが作成・公表されました。