旧吉田村農業協同組合西倉庫、東倉庫(吉田村village西棟、東棟)が国登録有形文化財(建造物)へ登録されました
下野市本吉田に所在する旧吉田村農業協同組合西倉庫(吉田村Village西棟)及び旧吉田村農業協同組合東倉庫(吉田村Village東棟)につきまして、令和5年11月24日に開催された国の文化審議会により国登録有形文化財への登録が答申されていましたが、令和6年3月6日付け文部科学省告示第27号によって、正式に登録されました。
この結果、市内の登録有形文化財(建造物)は3棟になりました。
登録有形文化財(建造物)とは
原則として建設後50年を経過した建造物、土木構造物等の中から、「国土の歴史的景観に寄与している」、「造形の規範となっている」、 「再現することが容易でない」という基準を満たした建造物等を対象とします。国の文化審議会から文部科学大臣への答申後、文化財登録原簿への登録、官報への告示を経て正式に登録されます。
文化庁ホームページ有形文化財(建造物)(新しいウィンドウが開きます)
経緯
旧吉田村農業協同組合倉庫(現:吉田村Village)は、下野市本吉田に所在しています。
この倉庫は建設当初、米や麦の貯蔵倉庫として使用されていましたが、昭和30年代からは当該地域周辺で生産量が増加したビール麦・小麦等の集荷場としての役割も担いました。その後昭和末期から平成初期頃には、これら麦類の収穫量の減少とトラックなどの輸送手段の発達、さらに穀物類備蓄用の低温倉庫の新設などの整備により使用されなくなりました。そのため、平成18年度から下野市が文化財仮収納施設として平成30年度まで借用していました。
平成31(2019)年から、現所有者がこの倉庫の景観を活用した、店舗及び宿泊施設として部分改修をおこない、現在「吉田村Village」として営業しています。
旧吉田村農業協同組合西倉庫(吉田村Village西棟)の概要
所在地
下野市本吉田字沼端784-1他
構造、形式および大きさ
石造かわらぶき平屋建
建築面積248m2
建築年代
昭和前期(令和元年改修)
員数
1棟
特徴
鬼怒川右岸に所在する旧農協の穀物倉庫。石造平屋建切妻造セメント瓦葺で内部は元は三室で北面3箇所に欠円アーチ戸口、上部に庇付小窓を開く。外壁は大谷石切石積で軒に鉢巻を廻し、下部6箇所にバットレスを付す。小屋組みはトラス組。地域色豊かな石造倉庫。
旧吉田村農業協同組合東倉庫(吉田村Village東棟)の概要
所在地
下野市本吉田字沼端784-1他
構造、形式および大きさ
石造かわらぶき平屋建
建築面積186m2
建築年代
昭和中期(令和5年改修)
員数
1棟
特徴
西倉庫東に建つ旧農協の穀物倉庫。石造平屋建、屋根は切妻造セメント瓦葺。北面2箇所に戸口を開き、北面東に小部屋を突出。外壁は大谷石切石積で控壁と臥梁、妻壁上部を鉄筋コンクリート造とする。小屋組は吊束2対のキングポスト・トラス。補強石造の一例。